AtCoder NoviStepsを埋めてみる(9) エラトステネスの篩 1D編の続きです。今回は素数判定・約数列挙・素因数分解です。

別のところで定義した PrimeFactorization クラスを使っています。PrimeFactorization クラスの定義は ここを参照 してください。

012 – Primality Test

012 – Primality Test

問題の概要

N が素数であるかどうかを判定せよ。

前回 PrimeFactorization クラスを定義したのでこれを使います。

ライブラリを使わない方法

C – Factors of Factorial

C – Factors of Factorial

問題の概要

整数 N が与えられる。N! の正の約数の個数を 10^9 + 7 で割った余りを求めよ。

約数の個数は素因数分解したときの各素因数の指数に 1 を足したものの総積です。

075 – Magic For Balls(★3)

075 – Magic For Balls(★3)

問題の概要

整数 x が書かれたボールを叩くと以下の操作が行われる。
x が素数でない場合:叩かれたボールを消滅させ、整数 a が書かれたボールと整数 b が書かれたボールを追加する。a, b は ab = x かつ a ≧ 2, b ≧ 2 を満たす整数から自由に選ぶことができる。
x が素数である場合:なにも起こらない。
魔法を 1 回使うと、現在あるすべてのボールを同時に叩くことができる(魔法を使う以外の手段でボールを叩くことはできない)。

整数 N が書かれたボールが 1 個だけある。
すべてのボールに書かれている数を素数にするのであれば最小で何回の操作を行う必要があるだろうか?

ボールを叩く行為はボールに書かれた数を 1 を用いない 2 つの整数の積に変換することと同じです。素因数の個数(同じ素因数でも別物として数える)を求めて、それを何回半分にすれば 1 になるかを考えればよいです。

D – Staircase Sequences

D – Staircase Sequences

問題の概要

整数からなる公差 1 の等差数列のうち、総和が N であるものはいくつあるだろうか?

数列 A { a, a + 1, …, b – 1, b } の総和を考えます。

まず、この数列の長さは b – a + 1 となります。次に、数列 A と 数列 A の順序を反転させた 数列 B{ b, b – 1, …, a + 1, a } との和を計算してみます。すると数列 C は { a + b, a + b, …, a + b, a + b } とすべての要素が同じになります。なので 数列 A の総和は (a + b)(b – a + 1) / 2 です。これが N になるものを探せばよいので、二元一次方程式 (a + b)(b – a + 1) = 2N の整数解の個数が求める解です。

a, b が整数なので (a + b) と (b – a + 1) も整数です。

X = a + b, Y = b – a + 1 と置くと X と Y は 2N の約数を昇順にならべたときに前から取っていったものと後ろから取っていったもののペアになります。

X = a + b, Y = b – a + 1 を a, b について解くと、a = (X – Y + 1) / 2, b =(X + Y -1)/ 2 となります。a, b は整数でなければならないのですが、そのためには X と Y の偶奇は異なっていなければなりません。

2N の約数をすべて求め(2N を割り切ることができる i をみつけたら N / i とペアにしてしまえばよい)、偶奇が異なるペアの数を数えます。ここでは i < N / i であるものだけを数え、答えを倍にしています。i を増やしながら順番に割り切れるか調べ、i が √2N を超えたら終了しています(誤差に注意)。

D – Div Game

D – Div Game

問題の概要

正の整数 N が与えられる。N に対して、以下の操作を繰り返し行うことを考える。
① 以下の条件を全て満たす正の整数 z を選ぶ。
ある素数 p と正の整数 e を用いて z = p^e と表せる。
N が z で割り切れる。
以前の操作で選んだどの整数とも異なる。
② N を、N / z に置き換える。

上記操作を最大で何回行うことができるか求めよ。

N を素数の整数乗で割っていくのですが、割る回数を多くしたいのであればできるだけ少ない数で割りたいです。また以前の操作で選んだ数は選べないので、素数 p で割り切ることができるのであれば、p, p~2, p^3 のような順で割っていきたくなります。

素因数分解すれば素数 p を容易に発見することができます。あとは低い次数から割っていけばよいです。

D – Disjoint Set of Common Divisors

D – Disjoint Set of Common Divisors

問題の概要

正整数 A, B が与えられる。
A と B の正の公約数の中からいくつかを選ぶ。
ただし、選んだ整数の中のどの異なる 2 つの整数についても互いに素でなければならない。
最大でいくつ選べるだろうか?

A と B の最大公約数について考えます。その 2 つの素因数を選ぶのであればどう選んでも互いに素です。また 1 はつねに公約数となり、他の整数とは互いに素です。

なので最大公約数を素因数分解して素因数の種類数をもとめ、これに 1 を加えたものが解となります。

D – Partition

D – Partition

問題の概要

整数 N, M が与えられる。
長さ N で各要素の総和が M となる正整数列 A を考える。
A の最大公約数が取りうる最大値を求めよ。

求める最大公約数を ans と置くと A の各要素は ans の倍数でなければなりません。M は ans の倍数の総和なので M もまた ans の倍数です。これは ans は M の約数であることを意味しています。

A の各要素を具体的に決めようとすると一例として { ans, ans, ans, ….., M – (N – 1) × ans } が挙げられます。M – (N – 1) × ans が ans を下回ってはダメです。方程式 ans ≦ M – (N – 1) × ans を解くと ans ≦ M / N となります。M の約数 で M / N 以下である最大のものが解となります。

約数を全列挙するためのメソッドを定義します。1 から N まで全部調べる必要はありません。約数には昇順に並べたとき前側と後ろ側を掛け算すると N になる性質を利用して時間計算量 O(√N) で求めています。

C – N Coloring

C – N Coloring

問題の概要

整数 N が与えられる。
以下の条件を満たす長さ N の正整数列 A をひとつ出力せよ。
i が j の約数(i < j)ならば、A[i] ≠ A[j]。
数列に現れる値の最大値が最小になる。

長さ N + 1 の配列を定義し、全体を 1 で初期化します。そして i が j の約数なら(つまり j が i の倍数であるなら)(ただし i < j) A[j] = A[i] + 1 に更新します。この処理を i が 1 から N まで繰り返します。これで数列に現れる値の最大値を最小にすることができます。

最後に A[0] 以外の要素を出力します。

C – 約数かつ倍数

C – 約数かつ倍数

問題の概要

2 個の正整数 A, B が与えられる。
A! の約数であり、かつ B! の倍数でもあるような正整数の個数を 1,000,000,007 で割った余りを求めよ。

数えなければならないものは B! の倍数 なので B! がもつ素因数を持たないものは数える必要はありません。A! を B! で割ってしまい、商の約数の個数を数えればよいです。

実際には A! / B! を計算してから約数を求めるのではなく、 (B + 1), (B + 2), …, A を素因数分解して各素因数の指数に 1 を加えたものの総積を計算しています。

D – DivRem Number

D – DivRem Number

問題の概要

正整数 N が与えられる。
以下の条件を満たす 正整数 m の総和を求めよ。
「N を m で割った商とあまりが等しい」

N を m で割った商とあまりを k と置くと、N = k × m + k となり、変形すると N = k (m + 1) となります。これは (m + 1) は N の約数であり、m は N の約数から 1 を引いたものとなります(ただしこれは必要条件であって十分条件ではないので注意)。

N の約数から m の候補を探して m > 0 && N / m == N % m であるものの総和を計算します。

C – Product and GCD

C – Product and GCD

問題の概要

各要素の値はわからないが、各要素の総積が P であることがわかっている長さ N の正整数列 A があります。A の最大公約数として最大のものを求めよ。

各要素の総積がわかっているのでこれを素因数分解します。最大公約数を最大化するためにはできるだけ均等にすべての要素に素因数を割り振っていけばよいです。P の素因数 p が k 個あるのであれば k / N 個ずつ割り振っていくことになります。

D – Factorial and Multiple

D – Factorial and Multiple

問題の概要

2 以上の整数 K が与えられる。
正の整数 N であって、N! が K の倍数となるようなもののうち最小のものを求めよ。

K を素因数分解してみます。仮に K が 2 × 3 × 5 ならこの 3 つの素因数を含む N! は 1 × 2 × 3 × 4 × 5 です。問題は 2^3 × 3^4 × 5 のようなケースです。素因数 2 を含む N は 2 の倍数ですが、

2: 2(1 個)
4: 2^2(2 個)
6: 2 × 3(1 個)
8: 2^3(3 個)
10: 2 × 5(2 個)

とちょっとややこしいです。

なので K を素因数分解したあとそれぞれの素因数の個数をみたす最小の N を求め、そのなかで最大の N を求めることで解を求めています。

E – Flatten

E – Flatten

問題の概要

長さ N 個の正整数列 A が与えられる。
次の条件を満たすような正整数列 B を考える。
条件:
1 ≦ i < j ≦ N を満たすどのような i, j についても A[i] × B[i] = A[j] × B[j] が成り立つ。
このような正整数列 B の各要素の総和の最小値を 10^9 + 7 で割った余りを求めよ。

A[i] × B[i] が A の最小公倍数になるように B[i] を定めればよいです。A の各要素を素因数分解をしてここから最小公倍数 (LCM) を求めます。そして LCM にあって A の各要素にない素因数を調べれば B[i] がわかります。あとはこの総和を求めればよいです。

D – 756

D – 756

問題の概要

整数 N が与えられる。
N! の約数のうち、ちょうど 75 個持つ正の整数 は何個あるでしょうか?

約数を 75 個もつ整数を素因数分解したときにどのように表されるかを考えます。素因数の個数と約数の個数の関係から以下のパターンしか考えられません。

A^74
A^2 × B^24
A^4 × B^14
A^4 × B^4 × C^2

また N! がもつ素因数の最大値は N 以下の最大の素数です。なので N 以下の素数で条件を満たす素数 A, B, C があるか全探索します。